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復興へ向け、施策を展開(復興事業計画の重点施策)<後編> 「東日本大震災・いわき市復興のあゆみ2015」記録誌及びDVD(平成28年3月11日発行) | いわき市役所

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ウ プール水

 市内の公立小・中学校および公立幼稚園のプール水については、検査の結果、検体数121施設(362件) 中、2施設で放射性セシウム137がわずかに検出されましたが、いずれも基準値(水道水の管理目標値

=放射性セシウム10ベクレル/kg)以下で、福島県生活環境部原子力安全対策課放射線監視室からは、

「プールを利用するうえで、問題となる数値ではない」と報告されています。

 市内の公立および私立保育所や児童館のプール水については、平成27(2015)年6月から同年7月に かけて実施。検体数38施設のいずれも、昨年度に続き検出限界値未満(不検出)でした。

④ 安全確認のため、市内農産物や一次農産加工品をモニタリング検査

ア 基準値を超えた場合は、出荷制限へ

 平成26(2014)年度いわき産農産物安全確認モニタリング検査では、市内農業者が出荷する農作物 や一次農産加工品、合わせて6,447件を測定しました。(写真6-(4)-2)

 この結果、基準値である1kgあたり100ベクレル以下であった検体が、全体の99.98%を占めました。 同100ベクレルを超えたのは全体の0.02%、1検体で、出荷の自粛要請を行いました。

 同じく平成27(2015)年4月から平成27年12月末の検査結果では、測定検体6,107件中、同100ベ クレルを超えた検体はありませんでした。(図6-(4)-1)

 農産物の出荷制限などについては、原子力災害対策本部長(内閣 総理大臣)が県に対して行っており、平成28年1月31日現在で野 生キノコ、露地の原木ナメコ、野生タラノメなど7品目が出荷制限 となっています。また、県が出荷の自粛要請した農産物は野生サン ショウです。

 出荷制限などの解除にあたっては、いずれも一定期間、市町村の 複数箇所で検査結果のすべてが基準値以下となり、解除指示を受け ることが必須となります。

 検査品目やその検査結果、採取地などの情報について、市見せる 課のホームページ「見せます!いわき情報局」で見ることができます。

■表6-(4)-7 平成27年度における食品などの放射性物質検査結果(平成27年12月末日現在)

 検査内容 項目事業名

検体数(件)

検査結果 備考(検査結果の最大値と健康に影響を

与えるような数値ではないとされる1ミ リシーベルトとの比較) 不検出(件) 基準値以下(件) 基準値超過(件) 最大値

保 育 所 給 食

(食 材 検 査) 2,466 (99.8%)2,459 (0.1%)6

※  1

(0.1%) 5.3ベクレル/㎏

基準値以下については、簡易検査で測定 下限値を超えて市独自基準値のセシウム 合算値20ベクレル/㎏未満のもの。※基 準値超過の1件は、出荷制限対象品目に つき給食食材として使用せず。

保 育 所 給 食

(調 理 後 検 査) 576 (99.9%)569 (0.1%)7 0.58ベクレル/㎏

検出値が0.58ベクレル/㎏の給食を毎 日、200g、1年間食べ続けた場合の例で 示すと、0.0004ミリシーベルト(3-7歳)

学 校 給 食

(食 材 検 査) 11.386 (99.9%)11.377 (0.1%)9 10.8ベクレル/㎏

基準値以下については、簡易検査で10ベ クレル/㎏を超えたものである。それに ついて詳細検査を実施した結果は、すべ て市独自基準値(セシウム合算値20ベ クレル/㎏)未満でした。

学 校 給 食

(調 理 後 検 査) 406 (99.8%)405 (0.2%)1 1.01ベクレル/㎏

検出値が1.01ベクレル/kgの給食を毎 日、750g、1年間食べ続けた場合で示す と、0.0027ミリシーベルト(8-11歳) 加 工 食 品

(流通食品検査) 360 (97.8%)352 (2.2%)8 (0%)0 8.0ベクレル/kg

Cs137の検出値が8.0ベクレル/kgの食 品を毎日10g、1年間食べ続けた場合で示 すと、0.00028ミリシーベルト(3-7歳)

■写真6-(4)-2 出荷農産物の検査  〔いわき市撮影〕

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イ 検査体制

 平成27(2015)年度もこれまで同様、いわき産農産物 の透明性を高め、その信頼回復を図るため、引き続きJA と連携して検査(市内6か所)を実施し、消費者などに対 して、安全・安心の判断材料の提供に努めています。

⑤ 自家消費用作物などの放射能簡易検査

ア 市内 14 か所の検査場所で測定

 市は、出荷または販売などを目的としない自家消費用 の作物などについて、平成26(2014)年度は市内14か所 の検査場所にて、3,625件を測定しました。この結果、基 準値である1kg当たり100ベクレル以下であった検体が、 全体の87.5%を占めました。同100ベクレルを超えたの は全体の12.5%、452検体でした。基準値を超えた作物 で多かったのは、シイタケ164件、イノシシニク102件、 タケノコ41件などでした。

 なお、平成27(2015)年3月より、検体(食品)を細かく刻まなくても検体ができる非破壊式放射能 測定装置を各検査所に導入し、利便性の向上を図りました。

 4月から12月末の検査結果では、測定検体5,679件中、同100ベクレルを超えたのは全体の8.59%、 488検体で、イノシシニク93件、シイタケ66件、タケノコ31件などで検出されました。

イ 検査体制

 引き続き、市内14か所で自家消費用作物などの放射性物質検査を実施しており、検査結果などの情 報について、市公式ホームページで公開しています。

⑥ 安全・安心へ向け、引き続き本格除染を実施

ア 市除染実施計画≪第 3 版≫に基づき、引き続き除染を実施

 市は「放射性物質汚染対処特措法」の施行に伴い、平成

25(2013)年3月に市除染実施計画≪第2版≫を策定し、 比較的線量の高い川前、久之浜・大久、小川、四倉の北部 4地区の住宅およびその周辺などについて、優先的に除染 を実施してきました。(写真6-(4)-3)

 こうしたなか、平成24年度から着手した北部4地区の住 宅汚染が、仮置場の確保に困難を極め、全体的な工程計画 に遅れが生じたことから、平成26(2014)年10月、実施期 間について、平成28(2016)年度まで1年延長したほか、 除染方法などの一部見直しなどを内容とする市除染実施計 画≪第3版≫を策定し、引き続き、除染を実施していきます。

イ 子どもの生活環境(保育・教育施設、都市公園)の進ちょく状況

(ア) 保育・教育施設は平成 25 年度までにすべて完了

 平成23(2011)年度は、全施設の清掃・洗浄作業に加え、緊急的に園庭・校庭などの四隅および中 央の5地点における放射線量の平均値が、毎時0.30マイクロシーベルト以上の施設を対象に、園庭・ 校庭の表土除去などを実施しました。

 その後、平成24(2012)年度は、学校など敷地内の任意の5地点における放射線量の平均値が、毎時

■写真6-(4)-3 住宅除染(平地区)  〔平成28(2016)年1月 いわき市撮影〕

■図6-(4)-1 平成27(2015)年度いわき産農作物 安全確認モニタリング検査の結果

6,107件検体数

基準値以下

(100.00%)

100Bq/kg 以上

[基準値以上] 0(0.00%)

10Bq/kg 未満 6,084(99.62%) 50~100Bq/kg以下

2(0.03%) 10~50Bq/kg以下

21(0.34%)

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0.23マイクロシーベルト以上となった施設について除染を実施し、平成25(2013)年度末までにすべ て完了しました。

(イ) 都市公園は平成 26 年度までにすべて完了

 平成23(2011)年度は都市公園のモニタリング調査を実施し、公園の放射線量が毎時1.00マイクロ シーベルト以上の公園を対象に表土除去を行いました。その後、平成24(2012)年度には、公園内の 任意の5地点における放射線量の平均値が、毎時0.23マイクロシーベルト以上となった四倉、久之浜・ 大久地区における10公園の除染を実施し、平成25(2013)年9月に完了しました。

 また、平成25年度に改めて詳細なモニタリングを行い、対象とした142公園について除染を実施し、 平成26(2014)年度中にすべて完了しました。

ウ 住宅除染の進ちょく状況

 住宅の除染については、平成23(2011) 年度に川前地区の特に線量が高い5軒を対 象に除染の効果を検証し、知見を集めるた め、他に先駆けて実施し、市除染実施計画 に基づき、市内で比較的線量が高い、川前、 久之浜・大久、小川、四倉の北部4地区か ら除染に着手しました。

 住宅除染は1軒ごとに居住者や所有者と の個別協議を行いながら進める必要がある ことや、除染の進ちょくに密接に関わる仮 置場の確保に困難を極め、想定以上に時間 を要したことから、進ちょくに遅れが生じ ましたが、川前、久之浜・大久、小川地区 は仮置場を確保し、平成26(2014)年度内

に四倉地区の仮置場が不足している一部を除き、北部4地区の住宅除染はすべて対応を終えています。  また、平、好間地区では、敷地内現場保管により平成26年2月から事前モニタリングに着手し、平 成26(2014)年度から住宅の除染を実施しています。さらに、三和、内郷、遠野、田人の各地区では、 平成27(2015)年2月から事前モニタリングに着手し、平成27年度から対象となる住宅の除染を実施 しています。(図6-(4)-2)

エ 除去土壌等の仮置場の状況

 平成24(2012)年度から進めてきた北部4地区の除去土壌 などの仮置場は、平成27(2015)年8月末時点で合計35か所 となっています。(写真6-(4)-4)

 なお、今後除染を実施する区域の仮置場が不足しているこ とから、引き続きその確保に努めていきますが、当面、敷地 内の現場保管によって除染を進めます。

オ 子どもの遊び場除染を実施

 除染実施区域内の保育施設、教育施設、公園などの「子どもの生活環境」の除染は、市除染実施計画 に基づき、最優先に実施してきましたが、除染実施区域外にある子どもの生活環境(保育施設、教育施 設など)においても、局所的に線量が高い、いわゆるホットスポットが存在する状況にあります。これ らのホットスポットについても、放射線量の低減を図り子供たちが安心して遊べるように、福島県線量 低減化支援事業補助金を活用して「子ども遊び場除染事業」を実施しています。

■写真6-(4)-4 除去土壌などの仮置場

■図 6-(4)-2 住宅除染の実施状況

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カ 今後の予定

 今後の住宅除染は、平成28(2016)年 度に小名浜・常磐・勿来地区の除染実 施区域内の対象住宅を実施していく予 定です。

 また、道路除染については、平成26

(2014)年に実施した久之浜・大久地区 に続き、平成27(2015)年度からは、川前、 小川地区を実施し、その他の地区につい ても順次実施していきます。(表6-(4)-8)

(5) 小名浜港周辺の一体的な整備・再生

① 市復興のシンボルとしての位置づけ

 東日本大震災により甚大な被害を受けたアクアマリンパークや漁港区、既成市街地をはじめとした小 名浜港周辺地域の一体的な整備・再生は、物流の拠点である小名浜港の再生はもとより、産業・観光振 興の拠点として、さらには、市の復興のシンボルと位置づけ、国・県・民間事業者等と連携し、積極的 に取り組むこととしています。

 なお、この重点施策「小名浜港周辺地域の一体的な整備・再生(プロジェクト)」は、重点施策「津波 被災地域の復興に向けた土地利用(プロジェクト)」(14ページに記述)と関わりを持つものです。

② 小名浜港背後地に係る復興整備計画

 小名浜港背後地においては、土地区画整理事業により都市計画道路平磐城線(通称鹿島街道)を臨港 道路まで延伸するとともに、福島臨海鉄道貨物ターミナルを移転し、その移転跡地の土地利活用につい ては民間開発の導入を図ることとし、民間事業者公募に向けた広報・PR活動などを実施しながら、平 成22(2010)年11月には「小名浜港背後地開発ビジョン」を策定しました。さらに東日本大震災後の平 成23(2011)年11月~12月に公募

を行い、開発事業協力者に選定した イオンモール㈱と平成24(2012)年 1月31日に「開発事業協力者に関す るパートナー基本協定」を締結しまし た。

 その後、市と同社は協働で、地元 まちづくり団体や各地域の商店会な どと協議を重ね、平成26(2014)年4 月には「開発事業計画」を策定すると ともに、「開発事業の実施に関する基 本協定」を締結し、正式な開発事業者 に決定した同社は複合商業施設の建 設に向けた具体的な手続きを進めて います。(図6-(5)-1)

 また、当該地周辺の基盤整備につ いては、震災復興土地区画整理事業 と併せて津波復興拠点整備事業など を活用し、民間施設と調整を図りな がら、再度津波が発生した場合にお

■表6-(4)-8  今後の除染予定

場所 実施内容 実施地区 実施予定

住 宅 除 染 内郷、遠野、三和、田人 平成27年度 小名浜、常磐、勿来 平成28年度 事 業 所

北部4地区、平、好間、内郷、

遠野、三和、田人 平成27年度

小名浜、常磐、勿来 平成28年度 道     路 市道、国道、県道など 平成26~28年度 注)除染実施区域内に限ります。

■表6-(5)-1 主な基盤整備事業の概要

事  業  名 内     容

震 災 復 興 土 地 区 画

鉄道貨物ターミナルの移転、都市計画道路や 区画道路の整備、県庁舎の移転など

津波復興拠点整備事業 ペデストリアンデッキや交通ターミナル、ポケットパークの整備、国庁舎の移転など まちなか回遊性向上事業 港と既成市街地の動線整備(道路の一部拡幅、舗装の高質化、ポケットパークの整備など)

■図6-(5)-1 小名浜港および背後地の復興イメージ図

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いても、都市機能を維持するための拠点を整備するとともに、港と既成市街地の動線整備も進め、港と 市街地の一体的なまちづくりの実現を図ります。(表6-(5)-1)

③ 小名浜魚市場の状況

 新たな小名浜魚市場は福島県漁業協同組合連合会が事業主 体となり、平成24(2012)年度から整備が進められ、平成 27(2015)年3月26日に供用を開始しました。

 この魚市場の特徴は、今までの開放型の施設から閉鎖型の 施設への変更による市場内への人、鳥、車両の出入りを制限 するなどの衛生管理の強化、水産物の鮮度を保持するための 製氷・貯氷設備、水揚げされた水産物の放射性物質スクリー ニング検査を行う検査室の設置、さらにはアクアマリンパー クに隣接している立地条件を活かした水産物の入札風景の見 学スペースの確保などです。(写真6-(5)-1)

 魚市場への水揚量については、沿岸漁業が試験操業中であ

り、沖合漁業も震災前の水準までは戻っていない状況ですが、魚市場と併せて供用開始された凍結品荷 さばき施設、冷凍・冷蔵施設との一体的な運用により、生鮮並びに凍結品の水揚げに加え、冷凍・冷蔵 施設における貯蔵や加工を通し、通年で安定的な流通体制が整ったことから、今後、本市への水揚量の 増加が期待されています。

(6) 再生可能エネルギーを核とした産業振興

① 浮体式洋上風力発電の実証研究事業

 市は、継続的な雇用の確保や創出を図る観点から、太陽光、風力、木質バイオマスなど、再生可能エ ネルギー関連を中心として産業振興を図ることとしています。

 このうち、市は、国・県と連携しながら、福島県沖で進められている浮体式洋上風力発電(ウインド ファーム)の実証研究事業を契機として、同発電に関する関連企業の誘致や関連産業の集積に取り組ん でいます。

 実証研究事業の具体的な内容としては、平成25(2013)年度 から同27(2015)年度までの期間中、国内初の本格的な実証実 験により、実用化に向けた基礎データの取得、安全・経済性な どの検証、漁業との共生可能性の調査などを実施することとし ています。

 平成25年度事業として、浮体式洋上風力発電の風力施設「ふ くしま未来」(2メガワット風車1基)を福島県沖合20km付近に 設置。同年11月から実証実験事業として運転を開始しており、 環境や漁業への影響を調査しています。(写真6-(6)-1)

 また平成27(2015)年度においては、世界最大級の7メガワッ ト級風力発電設備が小名浜港で組み立てられ、本県沖に設置さ れ、9月から運転を開始しています。

 実証研究事業終了後は、福島県沖に民間主導による本格的な 風力発電市場を形成し、日本における風力発電の拠点化をめざ すこととしており、地元漁業者の理解や小名浜港インフラ整備、 経済性の確保という課題を克服することができれば、事業化に 伴う関連産業の集積や新規雇用の創出を図ることができるもの と期待されます。

■写真6-(5)-1 新小名浜魚市場の竣工式  〔平成27(2015)年3月26日 いわき市撮影〕

写真6-(6)-1 浮体式洋上風力発電施 設が小名浜港藤原埠頭で建設〔平成27

(2015)年6月 いわき市撮影〕

(6)

② 復興交付金事業で地域集会施設を整備

 東日本大震災により改築を必要とする地域集会施設につい ては、復興交付金事業の基幹事業である木質バイオマス施設 など緊急整備事業を活用し、市立集会所として永崎集会所ほ か8施設を整備しました。(写真6-(6)-2、表6-(6)-1)

 なお、木質バイオマス施設など緊急整備事業の採択要件は、 福島県産材を建物1㎡あたり、0.22㎥以上使用することとなっ ています。

 また、岩間集会所ほか3施設については、復興交付金事業 の市街地復興効果促進事業を活用した整備を計画しています

(7) 既存地域産業の再生

① 回復基調であるものの、まだ厳しい観光業の再生

 本市の観光交流人口については、東日本大震災前の平成22(2010)年には約1,074万人を数えました が、平成23(2011)年は約368万人まで落ち込みました。平成26(2014)年には約775万人、市内観 光の宿泊者についても、平成22年には約98万人で、昨年は約75万人と、いずれも、約7割程度の回 復に留まるなど、依然として厳しい状況が続いています。

 また、海水浴場など自然由来の観光資源は一部再開できていないことから、施設によって回復の差が 大きく、加えて、宿泊者のなかには復興に係る作業員も含まれており、地域全体としてみると、風評払 拭、観光業の再生には至っていないのが現状です。(図6-(7)-1)

■表6-(6)-1 集会所の供用開始状況

集会所名 供用開始時期 集会所名 供用開始時期 集会所名 供用開始時期

平25.12.1 平26.3.1 金 ケ 沢(久 之 浜) 区画整理に併せ 関 田( 勿 来 ) 平25.12.1 平26.7.14 間 ( 平 ) 区画整理に併せ 四 倉 13 区 平25.12.1 折松(遠野・上根本) 平26.7.14 磯 ( 平 ) 区画整理に併せ 金 坂( 内 郷 ) 平25.12.1 本 町( 四 倉 ) 平26.8.18

平25.12.1 区画整理に併せ

■図6-(7)-1 いわき市における観光客数などの推移

※観光交流人口=観光の 入込客数に、文化交流 やスポーツ大会時など の人数を加えたもの。

■写真6-(6)-2 本町(四倉)集会所の鍵引き渡 し式〔平成26(2014)年8月 いわき市撮影〕

0 200 400 600 800 1000 1200

観光交流人口

観光客数

(県外)

(県内)

宿泊者数

368 1074

734788

203 760

489540

115 411

299322

88 319 191218

5198 7177

■平成22年

■平成23年

■平成24年

■平成25年

■平成26年 775

542

321

221

75

〔万人〕

(7)

② 「いわき見える化プロジェクト」の取り組み

 市は、農林水産業および観光業における原発事故に伴う風評の払拭を図るため、「いわき見える化プ ロジェクト」を展開し、農林水産業や観光業の従事者をはじめ、農協、漁協、(一社)いわき観光まちづ くりビューローなどの関係機関・団体および、消費者の目線から本市産農産物の魅力を発信していただ く「いわき野菜アンバサダー」の皆さんとも連携を図りながら、農林水産物や観光などのPRを行ってい ます。

 具体的には、さまざまな広報媟体を活用した本市産農林水産物や観光の情報発信、消費者を対象に本 市の現状や取り組みを実際に見ていただくバスツアーの実施、メディア関係者を対象としたセミナーの 開催、更には、「いわき野菜アンバサダー」からのお薦めする声の発信など。いずれも消費者自身に安全・ 安心を判断していただくための正しい情報、農林水産物や観光などの魅力といった、ありのままの「い わき」の“今”を情報発信しています。

 震災後5年目の取り組みとしては、モニタ リング検査をはじめ、風評払拭に向けた複 合的な事業展開を継続しながら、地産地消 の促進を図るため、市内の料理店などにお いて、本市産農作物を使用したオリジナル メニューを提供していただく「召しませ!い わき 至福の一皿」キャンペーンを開催し、 さらに、「いわき野菜アンバサダー」も目標 としていた1,000名を超えるなど、市民の 皆さんとともに、本市産農産物のおいしさ を広く発信しています。(写真6-(7)-1)  また、本市の沿岸海域において、漁業再

開にむけた第一歩として、平成25(2013)年10月に魚種と海域を限定した試験操業が開始されたこと から、本市の水産物の安全性を知っていただくため、試験操業で漁獲された水産物のスクリーニング検 査結果の公表を行っており、さらに平成27(2015)年10月からは、本市水産物のおいしさや魅力を効 果的に発信するため、本市水産業の伝統、水揚げされる水産物とその加工品のおいしさ、きまじめな水 産関係者を「常磐もの」として地域ブランド化し、消費者の認知度向上を目的としたプロモーション事 業を開始するなど、風評の早期払拭と消費拡大を図っています。

③ 試験操業と漁業再開に向けた取り組み

 本市の沿岸漁業においては、東京電力㈱福島第一原子力発 電所の事故発生以降、操業自粛を余儀なくされていますが、 県などが実施しているモニタリング調査の結果を踏まえ、安 全性が確認された魚種に限定し、平成25(2013)年10月18 日から小規模な操業と販売を試験的に行い、流通先の確保と 出荷先での評価の調査などを目的とした試験操業が開始され ました。

 開始当初は、対象魚種16魚種、海域150m以深でしたが、 県などの調査結果を踏まえ、徐々に対象魚種と海域を拡大し ており、出荷先も市中央卸売市場を含む県内4市場から仙台、 水戸に続き東京・築地市場などへと拡大しています。

 平成27(2015)年7月には、キタムラサキウニの試験操業が震災後初めて行われ、「ウニの貝焼き」 に加工し出荷されました。現在も、安全性を最優先に対象魚種や海域、出荷先を拡大しながら、本格的 な漁業再開に向けて試験操業が進められています。(写真6-(7)-2)

■写真6-(7)-1 「いわき野菜アンバサダー」1,000名達成  〔平成27(2015)年11月 いわき市撮影〕

■写真6-(7)-2 試験操業で水揚されたキタ ムラサキウニを「ウニの貝焼き」に加工して 出荷

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④ 新たな観光誘客策を推進

ア 第 7 回太平洋・島サミットの開催

 5月22日、23日の2日間、いわき市において、今回で7回目 となる「太平洋・島サミット」が開催されました。(写真6-(7)-3)  このサミットは、国際社会において日本を支持してくれる重要 なパートナーである太平洋の島国との関係強化と、島国の発展に 共に取り組むため、3年に一度、日本に同国の首脳を招き、経済 協力や環境問題などについて話し合う国際首脳会議であり、併せ て、福島県内では初めての国際首脳会議の開催となりました。  サミットは、「福島いわきから太平洋への誓い 共に創る豊か な未来」というキャッチフレーズの下、日本、島国14か国、オー ストラリア、ニュージーランドの17か国の首脳などが参加し、 スパリゾートハワイアンズをメイン会場に開催されました。  開会式の基調演説のなかで、安倍総理は、本市での開催の意義 について、「4年前、当地が災害に襲われた時、皆様が寄せてく ださった厚意に感謝するためです。復興のため、被災地の人々が 払ってきた懸命な努力を、皆様にぜひ見ていただきたかったから でもあります」と述べ、「北西太平洋の島国・日本の、地震と津波、 原発事故を耐え、力強く甦りつつあるいわきから、太平洋のすべ ての友人に、ひとつの誓いを送ります」と、復興への取り組みを 強調しました。

 2日間のサミットにあたり、市が主催した行事として、津波の 被害が甚大であった「薄磯地区」の視察、並びに安倍総理夫妻お よびパラオ大統領夫妻による献花が行われ、サミット会場付近の 沿道においては、子ども達を中心に、参加国の国旗を記した手旗 や横断幕を掲げて盛大に歓迎しました。(写真6-(7)-4、5)

 また、各国首脳の配偶者を対象として、「金澤翔子美術館」に おける書道体験などを通して、日本文化にふれていただくととも に、藤原小学校を会場に、小中学生、更には市内高校生で組織し た「いわき太平洋・島サミット2015応援隊」との交流の機会を設 けるなど、心からのおもてなしに努めました。(写真6-(7)-6)  本サミットにより、「福島・いわき宣言-共に創る豊かな未来-」 として、「いわき」の名が冠された宣言が採択されたことは、歴 史的な出来事であるとともに、各国首脳をはじめ、多くの関係者 の皆様に、本市の安全性や復興の姿を実際に見ていただいたこと は、サミット開催の大きな成果であり、未曾有の災害を乗り越え、 復興に向け力強く進む、「福島いわき」の姿を国内外に広く発信 することができました。

イ 効果的な誘客策や首都圏情報発信など

 市は平成24(2012)年度から、団体旅行をターゲットとして旅 行エージェントのノウハウなどを活かした効果的な誘客に取り組 む「旅行商品販売促進支援事業」および、個人手配旅行をターゲッ トとしてネットクーポンを活用した「宿泊旅行促進事業」を展開 しており、平成26(2014)年度までの3年度で合計約10万人の 観光客を誘致しました。

■写真6-(7)-7 ラッピングバスの出発式

〔平成27(2015)年9月 いわき市撮影〕

■写真 6-(7)-3 サミット参加者を歓迎  (スパリゾートハワイアンズ)

■写真 6-(7)-4 各国首脳を歓迎  (スパリゾートハワイアンズ)

■写真 6-(7)-5 安倍総理夫妻・パラオ大 統領夫妻が献花(薄磯)

■写真 6-(7)-6 首脳夫人との交流  (藤原小学校)

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 また、風評払拭とともに新生「いわき」の魅力を発信し、首都圏をはじめ全国からの誘客につなげる ため、観光プロモーションを展開するなど、観光PRを積極的に行い観光交流人口の回復に努めています。  平成27(2015)年度についても、引き続き同様の事業を展開するとともに、常磐自動車道の全線開 通を機に仙台圏からの誘客をめざし、仙台市交通局および宮城交通の路線バスにラッピングバスを導入 し運行を行うなど、さらなる観光誘客の拡大を図っています。(写真6-(7)-7)

ウ 今後の取り組み

 今後も、市は首都圏における観光PR、物産品などの販売を通 じた観光誘客、大規模イベント(「いわきサンシャインマラソン」 など)の開催、大規模会議や教育旅行の誘致、ふくしまディスティ ネーションキャンペーン(アフターDC)に向けた取り組み、また、 平成28(2016)年度の市制施行50周年記念事業として、市内を 一つの博覧会場に見立て、さまざまな観光資源を組み合わせて旅 行者に提供する「いわきサンシャイン博」の開催など、市内観光 関連事業者と連携し、さらなる観光誘客に取り組みます。

 これら事業などのPRについて、IWAKI観光大使見習いに就任 した「フラおじさん」などを活用し、効果的な情報発信に努めて いきます。(写真6-(7)-8)

(8) 企業誘致対策

① さまざまな復興特区制度を活用

 本市の経済をさらに活性化させるため、市は企業誘致に積極的に取り組むとともに、復興特区制度を 有効に活用して、税制上の優遇制度や各種規制緩和を講じるなど、企業の安定経営と企業の新たな立地 を促す仕組みづくりに取り組むこととしています。

 国の認定を受けた特区の内容は、次のとおりです。

ア ふくしま医療関連産業復興特区

(平成 24(2012)年 3 月認定)-県単独申請・県内全域対象

イ ふくしま産業復興投資促進特区

(平成 24 年 4 月認定、平成 25(2013)年 8 月、農林水産業につい て追加認定)-県と本市を含む県内 59 市町村の共同申請により、市内では 420 件(334 事業者)が指定(平 成 27(2015)年 12 月 31 日現在)を受けています。

ウ 県保健・医療・福祉復興促進特区

(平成 24 年 4 月認定)-県単独申請・県内全域対象

エ 県確定拠出年金復興特区

(平成 24 年 8 月認定)-県と本市を含む県内 59 市町村の共同申請

オ サンシャイン観光推進特区

(平成 24 年 11 月認定)-本市単独申請。対象とする業種は 8 業種で、 62 事業者 72 件(平成 27 年 12 月 31 日現在)が指定を受けました。

カ 復興特区支援利子補給金関係

(平成 25 年 2 月・11 月、平成 26 年 6 月・10 月、平成 27 年 1 月認定)

-本市単独申請

② ふくしま産業復興企業立地補助金

 県の「ふくしま産業復興企業立地補助金」については、平成27(2015)年12月末日現在、市内で85 件が採択を受けており、新規雇用者数は1,030人(計画地)となっています。

 これら特区と補助金の優遇措置を併せて活用することにより、企業の新・増設を促し、被災された方 などの雇用につながるものと期待されています。

■写真6-(7)-8 ふくしまディスティネーション キャンペーンのオープニング(湯本駅)  〔平成27(2015)年4月 いわき市撮影〕

(10)

(9) 被災他自治体との連携強化

① 原発避難者の受け入れと市外避難者への支援

ア 市が「原発避難者特例法」に基づく「指定市町村」へ

 平成23(2011)年8月12日、「原発避難者特例法」が交付され、同日に施行されました。目的としては、

〔1〕市町村の区域外に避難している住民(避難住民)に対する適切な行政サービスの提供

〔2〕住所を移転した住民と元の地方自治体との関係の維持

という二つの課題に対応する措置を定めたもので、双葉郡のほか、いわき市など県内13市町村が指定 されました。これら市町村から住民票を異動せずに避難している住民を受け入れた場合は、避難者に対 する一定の行政サービスについて、提供が義務づけられており、避難者は避難先自治体から行政サービ スを受けることができます。

 いわき市の場合は、市民が関東圏を中心に市外へ避難している一方で、多くの避難者を受け入れる立 場と呈しています。

イ 情報発信や交流会への職員派遣など、市外避難者への支援

 市は平成23(2011)年12月、「原発避難者特例法」に基づき、「いわき市特定住所移転者に係る申出に関 する条例」を制定し、市外への避難者に対して、一日も早くふるさと「いわき」へ戻ってもらうことを目的 として、県事業「ふるさとふくしま帰還支援事業」を活用し、広報いわき、放射線量測定結果、除染の取 組状況など、いわき市の情報を毎月郵送しているほか、避難先自治体や避難者支援団体などが開催する避 難者交流会へ職員を派遣し、現在のいわき市の状況について

の情報提供や、相談業務を実施しています。(写真6-(9)-1)  これら情報発信などのほか、本市の食品の検査体制、健 康管理など安全安心に向けた取り組みの結果、住民票を異 動せずに市外に避難しているいわき市民(原発避難者特例 法の避難住民)は、平成24(2012)年3月31日には4,243 人を数えましたが、その後は減少で推移し、平成28(2016) 年1月1日には1,290人となりました。

 避難先の内訳でみると、関東地方が66.5%を占め、と りわけ東京都は関東地方の約50.5%、全体のなかでも約 33.6%を占めています。(図6-(9)-1)

② 双葉郡町村との共栄をめざして

ア 双葉郡の町出先機関がいわき市に設置

 福島第一原子力発電所の事故により、法的に居住できな い区域などを持つ双葉郡内の町村では、多くの住民がいわ き市内に建設された応急仮設住宅や民間借上げ住宅に入居 していることから、行政の出先機関が市内の各所に出張所 や連絡事務所などを設けて町民などの便宜を図っています。

イ 応急仮設住宅から復興公営住宅へ

 応急仮設住宅(建設主体=福島県)は、市内で津波被害を 受けた沿岸地域に住む住民のためだけでなく、福島第一原 子力発電所の事故によって、双葉郡からいわき市へ避難し た多くの住民(広野町、楢葉町、大熊町、富岡町、双葉町、 川内村の5町1村)のために、相次いで市内各所に建設され

ましたが、早期に避難者が安心して生活できる環境づくり ■図6-(9)-1 いわき市民の市外避難者数と避難先

■写真6-(9)-1 秋田県秋田市で開催された避難  〔平成27(2015)年9月 いわき市撮影〕者交流会

いわき市民

合計1,290人の避難先

平成28年1月1日現在

東京都433

(33.6%)

その他425

(32.9) 関東地方

(66.5%)858 中部地方249

(19.3%) 東北地方  61     (4.7%)

その他122

(9.5%) 2,970

2,748 2,521

2,397 2,235

1,942

1,739 1,552

1,410 1,290

9/30 12/31 5/1 8/1 12/1 4/1 9/1 1/1 7/1 1/1

平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年

3,000

2,000

1,000

0

(人)

(11)

のため、市内17か所において、県営による復興公営住宅の整備が進められています。

 平成28年1月1日までに、3か所(小名浜・永崎、常磐、平八幡小路の各地区)で入居が開始されており、 残り14か所についても、すべて平成29年度内までの入居に向けて整備が進められています。(表6-(9)-1)

ウ 町外コミュニティの協議

 居住を制限された双葉郡の町村などからは多くの住民が避難し、市内への避難者数(原発避難者特例 法の避難住民数)は平成24(2012)年1月31日には2万人を超え、現在は約2万4,000人が居住してい ます。(図6-(9)-2)

 このように、多くの避難者を受け入れていることから、市は国に対し避難者の受け入れ側としての特 殊な状況を考慮するよう、要請しました。

 このうち、財政支援については、避難者1人当たりの標準的な受け入れ経費として、標準的な行政経 費を積み重ねた単価が年間約4万2,000円と算定され、避難者に応じて国からの特別交付税を得ること

■表6-(9)-1 復興公営住宅の整備予定 〔平成28年1月1日現在〕

区分

地区 所在地

整備 主体 戸数 住居形態

割振り戸数

富岡町 大熊町 双葉町 浪江町 4町共通

平八幡小路地区 12戸 集合住宅 12

平赤井地区 80戸 集合住宅 30 50

小 名 浜

小名浜・永崎地区 200戸 集合住宅 80 35 25 60 小名浜大原地区 54戸 集合住宅 12 42

泉町本谷地区 198戸 集合住宅 80 10 108

鹿島町地区 50戸 集合住宅 50

小名浜中原地区 125戸 集合住宅 42 28 11 32 12 勿来酒井地区 188戸 木造戸建て及び

集合住宅 178 10

常磐地区 50戸 集合住宅 50

常磐2地区 108戸 集合住宅 72 36

常磐関船町地区 27戸 集合住宅 27

内郷宮町地区 72戸 集合住宅 72

四倉地区 150戸 集合住宅 50 100

小川地区 53戸 木造2階建 53

小川2地区 50戸 木造戸建て 50

小川3地区 30戸 木造戸建て 30

北好間中川原地区 321戸 集合住宅 130 160 21 10   合     計   1,768戸 493 355 214 429 277

平成24年

1月 4月 7月 10月 平成25年1月 4月 7月 10月 平成26年1月 4月 7月 10月 平成27年1月 4月 7月 10月

-●- 12市町村の合計  -■- 町外コミュニティ検討4町 -▲- 町外コミュニティ検討4町以外の8市町村 5,000

7,000 9,000 11,000 13,000 15,000 17,000 19,000 21,000 23,000 25,000

19,553

22,759

10,138 9,415

10,569 10,198

9,654 9,114

15,124 24,238

12,190 13,595

14,452 23,793

24,106

■図6-(9)-2 受け入れ避難者数の推移 注)1 避難住民=住民票を異動していない避難者(原発避難者特例法上の用語)

 2 12市町村=原発避難者特例法の指定市町村(本市を含め13の市町村)

 3 4町=町外コミュニティを検討する4町(浪江町、双葉町、大熊町、富岡町)

(12)

となりました。

 また、長期避難者などの生活拠点として整備する「町外コミュニティ」については、浪江、双葉、大熊、 富岡の4町が「いわき市」を対象に希望しています。

 具体的な町外コミュニティのあり方については、受入自治体の事情に応じた生活拠点の確保・整備に ついて検討する「長期避難者等の生活拠点の検討のための個別協議」(国・県・避難元4町・本市)など において協議を進めています。

エ 双葉郡8町村との連携

 避難者の方々が、本市における避難生活を安心して続けていただくため、双葉郡8町村との連携を深 めていくことが重要であることから、「いわき市長と双葉郡8町村長との意見交換会」を定期的に開催 し、避難者の受入れに伴い発生した課題の解決に向け、国や県への合同要望等も実施しています。  平成27(2015)年12月22日に開催した意見交換会では、これ

まで要望してきた案件のうち、実現可能となった3事業の概要に ついて報告し、今後の避難者の方々と市民の皆さんとの共生に向 けた取り組みについて意見交換しました。(写真6-(9)-2)

 避難者の方々と市民の皆さんの交流が図られ共生していけるよ う、国や県に対して合同で要望を行い、実現可能となった3事業 については、次のとおりです。

【コミュニティ交流広場整備事業】

  鮫川河川敷公園にパークゴルフ場1コースを増設するほか、多目的広場や駐車場を整備。

【鹿島公民館交流施設整備事業】

  鹿島公民館地内の多目的スペースを活用し、面積約240㎡の小体育館(講堂)を整備。

【北部清掃センター長寿命化事業】

  避難者受入れなどにより、焼却ごみの発生量が減少しないことから、廃止予定としていた北部清掃 センターの設備改良工事を行い、継続して使用。

大規模災害に備えて

7

(1) 原子力災害への備え

① 市地域防災計画(原子力災害対策編)の改訂と広域避難計画の策定

 福島第一原子力発電所においては、溶け落ちた燃料を取出す廃炉作業が30年~40年続くと言われて おり、また、福島第二原子力発電所においては、本市および県が早急な廃炉を東京電力および国に求め ていますが、敷地内から燃料を搬出するまでは時間がかかるとされています。このことから本市は、万 が一の原子力災害に備え、地域防災計画(原子力災害対策編)を策定しています。

 本計画は、福島第一原子力発電所事故後、緊急時防護措置を準備する区域(UPZ=一般的に原発から おおむね30km)を有する市町村に策定が義務付けられたことから、平成25(2013)年3月には福島第 二原子力発電所を対象とした暫定版を策定し、その後、平成26(2014)年3月には、福島第一原子力発 電所も計画の対象に追加するとともに、地震・津波などとの複合災害時の対応や、大規模な災害を想定 した市外避難を盛り込んだ内容に改訂しました。

 平成27(2015)年においては、国の原子力災害対策指針において、これまで定めのなかった福島第一 原子力発電所に対する防護区域の範囲や、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の 取扱いなどが示され、県の地域防災計画(原子力災害対策編)においても、その内容を踏まえた改訂を行っ たことを受け、本市地域防災計画(原子力災害対策編)も平成28(2016)年3月下旬に改訂する予定であり、

写真6-(9)-2 第6回いわき市長と双 葉郡8町村長との意見交換会〔平成27

(2015)年12月 いわき市撮影〕

参照

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